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(基本メイク)
 5色のクリームファンデーションで故人の肌に合った色をその場で作り使用します。そうする事で違和感なく仕上がります。
 パウダーファンデーション(器の1-4)を合わせ仕上げに使用。
 チーク(器の5-6)も自然な血色になるように合わせます。
(器の中央はフェイスパウダー)
 メイクは男女、年齢に関係無く全ての方に行います。その為、化粧しているというイメージより、顔色が良いというイメージに仕上がるように意識しています。
 
(特殊な道具)
 傷や欠損部分を修復するパテ(特殊メイク用)や、傷の腐敗を止め止血する為の薬剤。痩せた方の複顔に使用する薬品。腹部や胸部に溜まったガスや腹水を抜く為の針や注射器。ステープラーで止めた傷口の針を取り外す為のハサミ。必要に応じ、適切な処置を行う為に使用します。最後まで、変わりない姿で、送り出す為に必要な処置は全て行います。.
  一般に「納棺」と言いますが、棺にお寝かせする前に支度を整えていきます。顔を剃り(髭剃り)、ヘアカットやセット、部分染め、着替え、メイク、必要な場合の様々な処置。殆どの場合、お一人の身支度は1時間30分程です。
  人の亡くなる理由は様々です。理由だけでなく、場所も・・・。例えどのような最後でも、身支度を整えて送り出してあげるのは、残された者の勤めだと思います。ただ、大切な人の最後は悲しいものです。直ぐに気持ちを切り替えて支度を進める事は難しいでしょう。ご家族とお話をしながら、要望や故人の生前の話などを伺いながら進めていきます。会話を持つ事で、ご家族の気持ちが安らげる事も有りますし、何より生前に近い表情に整えられるからです。一人で執り行うため、ご家族も近くに寄ってこられますし、話しかけても下さいます。一緒に傍に居て頂く事が、記憶の中に留め忘れないでいられる時間だと考えています。だからこそ、私たちの仕事は必要なのです。ご家族に気持ちを言葉で表してもらい、その言葉に応えていきながら故人の支度を整える。ご家族と二人三脚で執り行う事が、おくられる故人と、おくる家族の橋渡しが出来るのではと思います。
 また、仕事を始めた頃と今とでは、道具も様変わりしました。専門的な物も加わり、今迄出来なかった事が出来るようになり、故人の身体の変化によって、ご家族の気持ちが不安になる事も有りましたが、その不安を取り除く事も出来ます。
 下記に私が使用している道具を一部ですが紹介します。私が使用する道具は、一般に手に入るものばかりです。故人の支度に使用するからといって、特別な道具を使用する必要は無く、身近に準備できるものを適切に使用することが重要です。変わった道具も使用しますが、全てに興味を持って頂き、これから取り組もうと考えている方に参考になればと思います。
(エアブラシ)
 黄疸が強く出ていたり、鬱血で赤黒く変色していたりと、顔色が内面から変化している場合、通常のメイクで元に戻す時に、かなり厚くなり、化粧が崩れ易くなります。
 エアブラシを使用すると、吹き付けてメイクするため密着度が高く、水分が蒸発すると化粧崩れが殆ど無く、薄く綺麗にメイクすることが出来ます。
 ファンデーションも混ぜる事が出来るため、肌色も調節可能です。
 
(最後の着物)
 
 昔から、葬儀の時は白装束と言われていますが、決して決り事では有りません。ご自分が着たい服、家族が着せてあげたい服に着替える。それが、洋服やドレス、和服に制服・・・どれでも良いので。 
 色々、諸説有るようですが、宗派等関係なく決めて良いのです。
 日本では、昔から様々な節目で身なりを整えてきました。生まれ直ぐの産着、七五三、入学式、成人式、還暦、喜寿・・・ets。ですが、今の葬儀の殆どが、病院で最後に着せてくれる浴衣が殆どで、自宅で亡くなった場合、裸という事も有ります(検死の為)
 真新しいものですから、悪い訳では有りませんが、少し寂しいでと感じるのは私だけでは無いと思います。
 葬儀に参列される方は、喪服で身なりを整えます。おくられる故人も、身なりを整え、支度するのが礼儀ではないでしょうか。
  昔は、白い木綿の布を買って来て、ご家族や近所の方が、一針一針思いを込めて縫い上げていました。それを皆で着せてあげていました。染める時間が無い為、白い着物のままだとも言われています。白衣が重要なのでは無く、綺麗な物を着せて差し上げることが大切なのではないでしょうか。
 サイズさえ問題なければ、前開きでなくても着せてあげられます。そんな場面に直面したら、是非、準備してあげて欲しいと思います。
(思い出に)
草鞋とトンボを毎回故人の胸元へ置かせて頂いています。大きさは、草鞋が親指程度です。とても小さいですが、私がお世話した思い出にと手作りしたものです。
 ご家族に好きな色を選んで頂きます。その時に、話も出来ますし、選んだ事で「湯灌」そのものを覚えて頂く為の必需品だと思っています。結構、大変ですが、喜んで頂けるのが何より嬉しいです。

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他にもありますが、よく使用する道具のみ載せています。

( 道 具 類 )

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